―――――『人』という生き物は
そのたった一つが己の全て、生きる道標、絶対なる信頼―――そういったモノから裏切られるとその瞬間世界から色が消えたような錯覚を覚える。
またそれによって何もかもから逃げ出したくなり、身の回りの全てを羨み、憎むようになる。
初期のまだ制御が利く頃はそれが全て自己嫌悪というカタチで還元され、己を壊す大きな要因としてまた悪循環を繰り返すのだ。
やがて誰にも知れず廃人となった彼の人は自分を傷付けるだけのこの世から己の鎖を断ち切ることのみ考える。
結果…愚かな俺は全てに絶望して空を蹴った。
「さようなら…先生」
棺の俺に花を贈って泣いてほしい。
仮想臨死
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